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2008年01月29日

高いデジタルケーブルほどイイ音質?

よく、AV機器なのでデジタルなので劣化しないというような売り文句があるが
これは間違いである。
劣化しないのではなく エラーに強いので劣化しにくいのである。

オーディオ業界では1mウン万円、ウン十万円のケーブルが売られているが
アナログ伝送に関してはケーブル伝送の影響を直接受けるので
たしかにケーブルが違えば音がかわってくるわけだが、
デジタルケーブルに関してはすこし話がちがってくる。

先にも書いたが、デジタルはエラーに強いので多少のエラーは訂正できる
ケーブル伝送におけるエラーは機器の送受信に関するエラーと外界からのノイズによるエラーである。
イイケーブルを使えば外界からのノイズの影響が減るので音質が向上するという考えである。

すこし気になっていたのでHDMI(DVI)の伝送方式についてしらべてみた
HDMIのオリジナルの規格をつくったSilicon Imageのサイトが分かりやすい
http://www.siliconimage.com/docs/understanding_DVI/


簡単に要約すると、DVI規格では外界からのノイズ対策(ジッター対策)がなされており
100kHz - 10MHzのレンジの周波数域のジッターに関しては除去が可能だという。
この範囲をlow frequency jitterという。このくらいの周波数域のエラー訂正ができれば
十分なようにおもえるが、実はそうではない。
原理は上のリンクで説明してあるので省くが、
ここでの注目ポイントでは10MHzまでのレンジしか除去できないのである。
DVIの伝送は160MHzくらいでデータのやり取りをしており、10MHzなど低周波数なのである。
データの信号線は3本でシリアル転送してるわけだが、隣の信号線から影響を受けようものなら
それはエラー訂正できないのである。
(もちろんそうならないようにHDMI,DVI規格の線はきちんとシールドしてあるけどね。)
さらに、映像信号を送る元のチップは1GHz近くで動作しており、そこからは多大なジッターが乗る
そんな高周波数のジッターだらけのところに音声信号を一緒に流してまともに伝送できるわけ無い
これがHDMIに音声信号を一緒に流すと音が悪くなるという理由である。

ここでまた注意が必要なのは一番のジッターの影響は外界じゃなくて送信側にある。
PS3で映像信号をHDMIにのせずに音声信号のみをHDMIにのせると音が良くなる理由は
HDMIに映像信号をのせる回路が停止しているので、高周波のジッターが乗らないためである。
これにはまったくケーブルは関係しない。(最低限外界からシールドされていれば、
映像チップのような高周波ジッターは外界からはあまり受けないだろう)
補足ではあるが、HDMIで音声信号は映像信号のブランク信号部分につめこまれており
1920x1080@60Hzであれば5%のブランク信号があるらしい。これにより音声信号の領域は
6MB/s弱という計算になり、PCM 176kHz 7ch が最大となる。
HDMIでは映像信号と音声信号を同じ信号線で送っているので高周波ジッターが多く発生している
映像チップの近くを配線せざる終えない。これがHDMIでの音質が悪い最大の理由。

話がずれたが、結局のところHDMIでのデジタル伝送に関しては
ケーブルの品質がめちゃくちゃ良くなったところで、音質はさほどかわらないだろう。
(極論すればケーブルの素材がいいことにこしたことわない)
それよりもむしろ信号送信側のジッタが軽減されるような対策をとったほうが良いだろう。
あとデジタルケーブルはケーブルの素材よりもジッタがのりやすい端子とかを気にしたほうが
良いだろう。(もちろんケーブルの素材は信号の立ち上がり立下りが速い素材ほどよい)
ただまぁ 世の中のケーブル素材はよっぽどへんなのじゃないかぎりそこそこの特性を
しめしているので、あんまりきにしなくていいんじゃないかなぁ

個人的にHDMIの品質に関してはこれでいろいろ分かった気になった。
映像と音声信号を一緒に出すと音の高音域がシャリシャリするようになるのも納得だ。

あとの音声デジタル伝送は 同軸伝送だけど、どうなんだろうね。
1線しかないことをみるとエラー訂正ようの信号とかはおくってないようだ。
(私の予想がただしければ、そのエラー訂正ようの信号線ってのがワードクロック信号なんだろうな・・・

というわけで、今回はここまで。


(寒いとプログラミングが進みません ^_^;)

投稿者 kioku : 2008年01月29日 01:57